こんにちは!プログラミング学習シリーズ第3回へようこそ。
前回はMacの開発環境構築について学びましたね。

今回は、プログラミング学習で必須となるターミナル(コマンドライン)操作について、初心者の方でも迷わず使いこなせるよう丁寧に解説していきます。
この記事を読み終える頃には、プロのエンジニアのように黒い画面でサクサクとファイル操作ができるようになり、プログラミング学習がグッと楽になりますよ!
ターミナルって何?なぜプログラミングに必要なの?
ターミナルの正体
ターミナルとは、コマンドと呼ばれる命令文を用いてMacの操作や設定をおこなうためのツールです。
普段私たちがMacを使うときは、マウスでアイコンをクリックしたり、ファイルをドラッグ&ドロップしたりしますよね。
これをGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)と呼びます。
一方、ターミナルは文字だけで操作するCUI(キャラクター・ユーザー・インターフェース)です。
映画のハッカーっぽい黒い画面の正体
よく映画とかでハッカーが打ち込んでいる黒い画面のイメージです。実はあれがターミナルなんです!
見た目は難しそうですが、実際は決まった「コマンド」を覚えるだけで誰でも使えるようになります。
なぜプログラミングにターミナルが必要?
Macでプログラミングを始めるにあたって、ターミナルの操作が必要になるケースは多いと言えます。
具体的には:
環境構築での利用
- プログラミング言語のインストール
- 必要なライブラリの管理
- 開発ツールのセットアップ
日常的な開発作業
- プロジェクトファイルの管理
- サーバーの起動・停止
- バージョン管理(Git)の操作
効率化のメリット ひとつのフォルダ内にファイルが1000個あり、すべてのファイルに連番を振るとします。ひとつずつ作業を行うのは大変ですが、ターミナルを使えばいくつかのコマンドを打つだけで作業が完了するのです。
ターミナルの起動方法と画面の見方
起動方法(3つの方法)
方法1:Spotlight検索(最も簡単)
⌘ + スペース
でSpotlight検索を開く- 「ターミナル」と入力
- Enterキーを押す
方法2:Finder経由
- Finder → アプリケーション → ユーティリティ → ターミナル
方法3:Launchpad経由
- Launchpad → その他 → ターミナル
ターミナル画面の見方
PC名:のすぐ後に現在のディレクトリ(フォルダーのこと)が表示されていて、「~」はホームディレクトリを表す記号です。
MacBook-Pro:~ username$
この表示の意味:
- MacBook-Pro: あなたのMacの名前
- ~: 現在いる場所(ホームディレクトリ)
- username: あなたのユーザー名
- $: コマンド入力待ち状態
必ず覚えるべき基本コマンド15選
場所を知る・移動するコマンド
1. pwd(現在地を確認)
pwd(ピーダブリューディー)コマンド print working directory(プリントワーキングディレクトリ)の略です。このコマンドは現在の自分のいる場所を表します。
pwd
実行例:
$ pwd
/Users/username
2. ls(フォルダの中身を見る)
ls というコマンドはめちゃくちゃ使います!「list segments」という言葉の略でディレクトリの中身のファイルに何があるかを見るコマンドです。
# 基本的な使い方
ls
# 詳細情報も表示
ls -l
# 隠しファイルも表示
ls -a
# 詳細情報 + 隠しファイル
ls -la
実行例:
$ ls
Desktop Documents Downloads Pictures
3. cd(フォルダ移動)
ディレクトリを移動するコマンドは cd 「change directory」というコマンドです。死ぬほど打つコマンドです。絶対覚えましょう。
# 指定したフォルダに移動
cd フォルダ名
# ホームディレクトリに戻る
cd ~
# 一つ上のフォルダに移動
cd ..
# 直前のフォルダに戻る
cd -
実行例:
$ cd Desktop
$ pwd
/Users/username/Desktop
ファイル・フォルダを作る・削除するコマンド
4. mkdir(フォルダ作成)
# フォルダ作成
mkdir フォルダ名
# 複数の階層を一気に作成
mkdir -p parent/child/grandchild
5. touch(ファイル作成)
touchコマンドを利用して実際にファイルを作成してみましょう。
# 空のファイルを作成
touch ファイル名.txt
# 複数ファイルを一度に作成
touch file1.txt file2.txt file3.txt
6. cp(コピー)
# ファイルをコピー
cp コピー元 コピー先
# フォルダを丸ごとコピー
cp -r フォルダ名 コピー先フォルダ名
実行例:
$ cp sample.txt backup.txt
$ cp -r project backup_project
7. mv(移動・名前変更)
# ファイル移動
mv ファイル名 移動先フォルダ/
# ファイル名変更
mv 古いファイル名 新しいファイル名
8. rm(削除)
rmコマンドは取り返しのつかないファイルの削除になります。(MacのFinderから削除されたファイルは、通常であればゴミ箱に保存されますがrmコマンドで削除されたファイルはゴミ箱に移動せずそのまま消えてしまうのです。)気をつけて使いましょう!
# ファイル削除
rm ファイル名
# フォルダを丸ごと削除
rm -rf フォルダ名
# 削除前に確認
rm -i ファイル名
ファイルの中身を見るコマンド
9. cat(ファイル内容表示)
# ファイル全体を表示
cat ファイル名
# 複数ファイルを連続表示
cat file1.txt file2.txt
10. head(ファイルの最初の部分)
# 最初の10行を表示
head ファイル名
# 最初の5行を表示
head -n 5 ファイル名
11. tail(ファイルの最後の部分)
# 最後の10行を表示
tail ファイル名
# リアルタイムで更新を監視
tail -f ログファイル名
🔍 検索・確認コマンド
12. find(ファイル検索)
# 名前でファイル検索
find . -name "*.txt"
# 特定のフォルダ内で検索
find ~/Documents -name "report*"
13. grep(ファイル内検索)
# ファイル内の文字列検索
grep "検索したい文字" ファイル名
# 大文字小文字を区別しない検索
grep -i "検索文字" ファイル名
便利コマンド
14. clear(画面をクリア)
clear
または Ctrl + L
のショートカットでも同じ効果があります。
15. history(コマンド履歴)
# 過去のコマンド履歴を表示
history
# 最近の10個のコマンドを表示
history 10
実践:プログラミングプロジェクトを作ってみよう
実際にコマンドを使って、プログラミング用のプロジェクトフォルダを作成してみましょう。
ステップ1:プログラミング用フォルダの作成
# ホームディレクトリに移動
cd ~
# プログラミング用のメインフォルダを作成
mkdir Programming
# 作成したフォルダに移動
cd Programming
# 現在地を確認
pwd
ステップ2:最初のWebプロジェクトを作成
# Webプロジェクト用フォルダを作成
mkdir my-first-website
# プロジェクトフォルダに移動
cd my-first-website
# 必要なファイルを作成
touch index.html
touch style.css
touch script.js
# 作成されたファイルを確認
ls -la
ステップ3:簡単なHTMLファイルを作成
# VSCodeでプロジェクトを開く
code .
この時点で、VSCodeが起動し、作成したファイルが表示されるはずです。
ステップ4:プロジェクト構造の確認
# プロジェクト構造を確認
ls -la
# ファイルのタイムスタンプを確認
ls -lt
プロが使う効率化テクニック
ショートカットキー活用
コマンド操作の効率化
↑
キー:前のコマンドを呼び出しCtrl + C
:実行中のコマンドを中止Ctrl + L
:画面をクリアTab
キー:コマンドやファイル名の自動補完
自動補完の活用
# 「Doc」まで入力してTabキーを押すと
cd Doc[Tab]
# 「Documents」に自動補完される
cd Documents
よく使うコマンドの組み合わせ
ファイル操作のパターン
# 新しいプロジェクトを始める時の定型作業
mkdir new-project && cd new-project
touch README.md index.html style.css
ls -la
フォルダ内容の詳細確認
# ファイル数とサイズを確認
ls -la | grep -v "^d" | wc -l # ファイル数
ls -lah # 人間が読みやすい形式でサイズ表示
パス(場所)の考え方
絶対パスと相対パス
絶対パス(ルートディレクトリからの完全な道のり)
/Users/username/Programming/my-first-website
相対パス(現在地からの道のり)
# 現在のフォルダ
.
# 一つ上のフォルダ
..
# 現在のフォルダ内のファイル
./index.html
初心者がハマりやすい落とし穴と対策
1. スペースが含まれるファイル名
❌ 間違い:
cd My Documents
✅ 正解:
cd "My Documents"
# または
cd My\ Documents
2. 大文字小文字の区別
Macのターミナルは大文字小文字を区別します。
# これらは別々のファイル
touch file.txt
touch File.txt
touch FILE.txt
3. 隠しファイルの存在
.
で始まるファイルは隠しファイルです。
# 通常の ls では見えない
ls
# -a オプションで隠しファイルも表示
ls -a
4. 危険なコマンドに注意
# 危険!システムファイルを削除する可能性
rm -rf /
# 安全な削除方法
rm -i ファイル名 # 削除前に確認
トラブルシューティング
コマンドが見つからない場合
$ python3
command not found: python3
対処法:
- スペルミスを確認
- そのコマンドがインストールされているか確認
- パスが通っているか確認
ターミナルが固まった場合
Ctrl + C
:現在のコマンドを中止Ctrl + Z
:プロセスを一時停止Ctrl + D
:ターミナルを終了
ファイルが見つからない場合
# 現在地を確認
pwd
# ファイル一覧を確認
ls -la
# ファイルを検索
find . -name "探したいファイル名"
VSCodeとターミナルの連携
VSCode内蔵ターミナルの使用
VSCode内でも、ターミナルを使うことができます。
- VSCodeを開く
Ctrl + `
(バッククォート)でターミナルを開く- 通常のターミナルと同じコマンドが使用可能
プロジェクトをVSCodeで開く
# 現在のフォルダをVSCodeで開く
code .
# 特定のファイルをVSCodeで開く
code index.html
# 新しいVSCodeウィンドウで開く
code -n .
次のステップへの準備
ターミナル操作に慣れてきたら、以下のようなことも試してみましょう:
Gitコマンドの準備
# バージョン管理の初期化(次回の記事で詳しく説明)
git --version
# プロジェクトをGitで管理開始(次回実践)
git init
開発サーバーの起動
# HTMLファイルを簡単に確認(Python使用)
python3 -m http.server 8000
# Node.jsを使ったサーバー起動(後の記事で説明)
# npm start
まとめ:ターミナル操作をマスターしよう!
今回は、プログラミング学習で必須となるターミナル操作について学びました。
重要ポイント
- ターミナルは文字で操作するMacの重要なツール
- 基本の15コマンドを覚えれば日常的な操作は十分
- 実際に手を動かしてコマンドを覚えることが大切
- 慣れるとマウス操作より効率的になる
覚えるべき最重要コマンド TOP 5
ls
:フォルダの中身を見るcd
:フォルダ移動pwd
:現在地確認mkdir
:フォルダ作成touch
:ファイル作成
最初は黒い画面に戸惑うかもしれませんが、これらのコマンドを使いこなせるようになると、プログラミング学習がグッと楽になります。
次回予告:第4回「HTML&CSS学習の始め方【Progate編】」
次回は、いよいよ実際のプログラミング学習に入ります!
- Progateを使った効率的な学習方法
- HTML基礎で絶対に押さえるべきポイント
- CSS基礎で重要な概念の理解
- 実際にコードを書き始めるための準備
ターミナル操作ができるようになったあなたなら、きっとスムーズにプログラミング学習を進められるはずです!
それでは、また次回お会いしましょう!